さあ、あなほりだ!
あなほりは ぼくにとって とくべつ。
あなほりを しているときには、
むちゅうになって
まわりに なにがいようが
きにならないのです。
でも、だんだん 手がいたくなってくるんです。
まあ あなほりなんだから しょうがないです。
ぼくが ちょっぴり 困っていると、
「あなほりは がんばるもんじゃないよ。
楽できることは 楽しなきゃ」
森のゴリ太が いいました。
「おう、そんなときは これつかいな。
ぐっと 楽になるぜ」
「これも どうぞ。
あなほり たのしんでね」
森の うっさくんと たぬおくんが
そういって、
べんりな どうぐを かしてくれた。
えっさえっさ、えっさえっさ、
どんどん ほれるぞ、楽ちんだ!
よけいに たのしくなってきた!
まあ、ここまでほれば いいだろう。
あんまりふかく ほりすぎるのは、
ぼくのやりかたじゃ ないからね。
えっさ えっさ、つぎつぎ ほるよ
おんなじ おおきさ おんなじ ふかさ。
たのしい たのしい、とまんない!
さあて、と。 だいぶ できたなあ。
うーん、どれも なかなか いいあなだ。
いいかたち、いいふかさ。
ぼくは、じっくり あなを ながめる。
あなほりの だいごみは これだよなあ。
おやおや、あなのなかに なにかいる。
ほってる ときには いなかったのに。
さては ぼくが みていない あいだに
はいりこんだんだな。
まあ、いいでしょう。
とうぜん、ぼくだけの あなじゃ ないわけだし。
「あー、えー、どうも」
おわっ!! びっくりした!!
「あ、しつれい。
わたくし あなたの あなに
おじゃましておりました
へびのすけ と もうします。
いいあな だったもんで、
ついつい はいって しまいましたよ。
むすこの へびたろうも
おとなりに おじゃま させてもらいました。
いやはや、
あなたの おつくりになった あな、
すばらしいです。
はいりごごちは ぜっぴん そのもの、
なかなか ないですよ。
よこはば、ふかさ、
じょうひんで うつくしいです、はい」
「ぼくらもそうおもいまーす」
さらにとなりの うちゅうじんと、
くまごろうが どうじにいった。
「では、あなたに できないことで
おれいをいたします。
あなに はいるとは はんたいに
おそらに おさんぽでも いきましょうかね、
いかがでしょう」
いくいく! いくにきまってる!
「じゃあ はなしは はやい。しゅっぱつです」
あなほりだ! そらでも あなほりだ。
「ああ、たしかに。
かみなりも ときどき ああして
くもに あなほり してますね。
かみなりの あなほりは
はやいです、とにかく」
たいへんだ! いっぱい あなほりだ!
「ああ、きをつけて。
マグマの あなほりは
うえにむかって やるんです。
きょうは いっきに やってる みたいですね。
めずらしい」
みてみて、いいあなだ。
「ほんとですね、いいものが みられましたね」
へびのすけさん、ぼく かえるよ。
「え? もうですか?」
うん、いろいろ みてたらね……
また、ぼくの あなほりが
やりたくなっちゃった。